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ろあんで「重油」→「地域の薪」へのエネルギー改革!【クラウドファンディング】で5月16日まで支援を募集中です!


【重油】→【薪】山奥の旅館から日本のエネルギー活用に一石を!

世界3位の森林率を持つ日本で、里山ならではの資本「木材」をエネルギーとして活用して、持続可能な循環型社会へと一歩進もう!

 

一里野高原ホテルろあんで初となるクラウドファンディングで支援募集を開始しました。

大自然の残る白山麓の自然と雇用を守る、とても意義のある事業!是非皆さまのご支援と応援をお願いします!

 

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北陸の金沢から車で1時間ほど走った高原にある温泉旅館【一里野高原ホテル ろあん】代表の山崎と申します。

ここは白山国立公園のすぐ隣であり、ユネスコの世界エコパーク内に立地しており、この温泉地の周りは手付かずの大自然です。

レディーフォー
そんな立地ゆえ、これまでにも、旅館の横で、養蜂や無農薬農業をはじめ、魚の養蜂やヤギ牧場など、普通の旅館ではやらないようなことかもしれませんが、あえて取組んできました。というのも、私達はこれら昔ながらの里山の暮らしの中にこそ、自然との共生のヒントがあるだろうと考えています。【里山の暮らしの六次産業化】と題して、観光事業を軸にこのようなスタイルを確立すべく、日々取組みを行っております。

 

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- 温泉旅館と重油?

 

温泉旅館で重油?と思われたかもしれませんね。

 

大浴場のシャワーには水道水を沸かして使用しています。冬場には暖房も館内に湯を循環させて行っております。その為に私たち“ろあん”では、長年、重油ボイラーを使用してきました。(重油とは灯油などと同じ様に石油から作られる燃料です。)タンクローリーで毎回6トンもの重油を運んできてもらい、地下タンクに補充、それを重油ボイラーで燃やしながら、CO2をバンバン排出しつつ、冷たい水道水の温度を60度まで上げて使用します。これはよその旅館でもホテルでもほとんど同じ様な状況だと思います。

 

ご存知のように石油資源は日本には無く、海外に依存する形となっております。大規模な油田で吸い上げられた原油を大きなタンカーで運んで来ます。それも日本から見ると地球の裏側みたいな場所から遠路はるばる運んで来ます。大量の原油を運ぶため、そのタンカーのエンジンでも多くの石油燃料を燃やしながら運んできます。

 

そして日本に到着した後、石油コンビナートで重油にしたものがタンクローリーに詰められ、日本全国に運ばれます。そんな遥か遠くのエネルギーを使って、この山奥の旅館のシャワーのお湯を作ってきました。それはごく当たり前のことで、他に選択肢はないものと、私共も思っておりました。

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- 石油に依存しないという選択

 

実は海外には身近にある森林資源を活かして、石油依存率を大きく減らしている国がいくつもあります。フィンランドやドイツ、オーストリアなどヨーロッパの国々です。これらの国は石油がほとんど取れません。そこで海外の石油に依存するのではなく、自国にある森林資源(=木質バイオマス)を活かすことに取り組んできたのです。

 

ドイツなどは森林率32%、オーストリアでも46%です。かたや日本の森林率は68.5%もあり世界17位、先進国の中でみると第3位です。なんと国土面積の7割ほどもが森林なのです!(森林率=国土面積に対する森林面積の割合。国連食糧農業機関の2015年の統計より)この小さな島国の中にこれだけ沢山の森林資源があるのに日本はこれを放置してしまっている状態なのです。

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ここ数年、国策で全国にバイオマス発電所が作られ、大規模な取組は多少成されて来ましたが、それ以外においての森林資源のエネルギーとしての活用はほとんど進んでおりません。それに、これらのバイオマス発電所も国の電力買取制度に頼っており、果たして将来しっかりと定着していくのかどうか大きな疑問が残ります。

 

このように日本の森林活用は木材としてもエネルギーとしても、今後に大きな期待を寄せることが難しい状況です。私達は沢山の森林資源と隣合わせで暮らしているのにも拘わらずです。そして海外から大量の燃料を使いながらはるばる運ばれてくる化石燃料に大金を投じているのです。この現状を当たり前と思っているのが現在の日本です。

 

しかし実際にはちゃんと他に選択肢はあるのです。その為の仕組みづくりをして、森林資源を取得し、活用するという経済活動を地域に落とし込んで行けば、大規模なバイオマス発電所ではなく、この様な山奥の中小零細企業である私どもの旅館でも自然エネルギーとしての森林資源を活用することが出来るのです。ちょっと想像に難いかもしれませんが、実際に北欧の国々では家庭の給湯までペレットやチップなどの木質バイオマス燃料を使っているくらいなのです。日本ではあまり知られてないだけで、選択肢は石油やガス以外にもあるのです。

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- 小さな旅館が日本のためにできること

 

そこで私達が投じたい【一石】とは、この様な海外資本に頼る必要のない、自分たちの地域に既にある持続可能な里山の資本を活かし、循環型の社会を作るための言わば【試金石】です!私達のような小さな旅館が【薪ボイラー】を導入して【薪】を燃料として身近にある森林資源が石油燃料に代替え可能だということを示すことで、波及効果をもたらすことになるはずです!

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- 里山だからこそ活用できる「森林資源」

 

日本は世界的にみても、とても水に恵まれており、降水量はインドネシア、フィリピンの次に多い世界第三位で世界平均の2倍もある国なんです。ですので、土壌にもしっかりと潤いがあるので、他の地域とは違って、森林を伐採した後、植栽せずにそのまま放置しても、勝手に木々が芽を出して育ち、20年もすれば、再び伐採出来る森林に成長します。途中に間伐と言って、密に生えてきた木々の間引きを行うなどの手入れをしたりはしますが、この時に伐採した木も森林資源としてもちろん活用できます。このように森林資源はまぎれもない持続可能な再生エネルギーに成りうれるのです。これを生かさない手は無いと思いませんか!実際、北欧の国々でも効率化の為、植栽をせずに自然と生えてくる木々で林業を行っているところが多いのです。

 

私達が薪ボイラーを導入し、日々、薪を燃料として消費することで、地域内に木材の需要を創出することになります。その需要に合わせて、地域内で林業を行うことにより、仕事が生まれ、雇用が生まれ、林業という産業が動き始めます。これまで放置されてきた森林エリアにも手が入ることになります。ちゃんとした手入れがなされると森林の状態も良くなり、土砂崩れなどの危険性も減ります。もちろん行き過ぎた森林伐採は逆に土砂崩れの要因となりますが、適度に手を入れることにより、そういった危険性を減らすことになります。

 

実際、林業が盛んで森林がちゃんと手入れされている地域には土砂崩れは起きづらいという統計が出ています。昨今、大規模な土砂崩れが全国で頻発しておりますが、その要因の一つに森林の手入れ不足ということが挙げられております。特に日本は根が浅い杉の木を植林している地域がほとんどですから、天然の森とは違って、手入れが欠かせません。しかし、林業が衰退してしまっているために、整備費用も出ず、放置されてしまっているのが現状です。事実、私共の山林も同様でした。それが今回、薪ボイラーを導入するという経緯から、これらの山林にも目を向けることになったのです!

 

今回の私達の取組は単なる一温泉旅館内での取組ではありますが、思いは「林業の再生」をシナリオに含んだ地域活性化事業です。地方創生と叫ばれておりますが、この里山の資源を活かすことにより、里山から小さいながらも地域が活性化する取組みを行い、一つのモデルを作り上げることが出来たなら、このモデルを全国に広げていければ、小さな力も少しは役に立つのではないかと思っております。

 

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- プロジェクトが描く未来❶「CO2削減の試金石」

 

温暖化対策の国際ルール、「パリ協定」において、二酸化炭素などの温室効果ガスの各国の削減目標が定められています。我々日本もこの地球の一員として取り組むわけですが、なかなかハードルが高いようです。重油ボイラーで私達は年間50トンほどの重油をこれまで燃やしていました。年間の二酸化炭素排出量は130トンほどです。これまでパリ協定のことは聞いていましたが、今回、調べてみて、初めてこの数値を知ることになり、その桁の大きさに驚きました。

 

その一方、薪などの木質バイオマス燃料は燃やすことによって二酸化炭素を排出しますが、伐採した後、また木々が生えて育つ過程で、光合成により空気中の二酸化炭素を固定するので、結局相殺されるとのことです!これをカーボンニュートラルと言うそうです。地下から取り出した石油燃料を燃やして排出された二酸化炭素は空気中にとって追加分になるが、木材の場合は結局トータルで見て、空気中の二酸化炭素が増えるわけではないので、カウントしなくて大丈夫なのだそうです。今回の私達の小さな取組により、年間100トン以上もの二酸化炭素削減になるわけです。これには私達も大きな意義を感じています。

 

- プロジェクトが描く未来❷「持続可能な未来への試金石」

 

「SDGs」という言葉が最近あちらこちらで聞かれるようになってきました。SDGsは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた17の開発目標です。その15のところに「森林の持続可能な管理」ということが挙げられております。一里野がある白山市はSDGsの全国で29ヶ所選定された「未来都市」の一つになっております。更にこの一里野は世界遺産を認定する「ユネスコ」が世界エコパークとして認定した「白山エコパーク」のエリア内にあります。そんな一里野は自然との共生を具現化する取組みを行うという期待も背負っているのではないかと思っています。

 

世界には「森林認証制度」というものがあり、持続可能な森林経営を行っているエリアを公式に認証しています。こういった制度に認証されるような森林経営を行うことで「SDGs未来都市」、「世界エコパーク」として、本当に小さな一歩かもしれませんが、この取組がきっかけとなり、国連やユネスコが評価するような取組に発展し、この地で具現化された自然共生モデルが世界へと広がる、ひいてはそれが地球の保全の為に少しでも役に立つ。おこがましいかもしれませんが、私達はそんな想いで、この事業を進めています。

 

- プロジェクトが描く未来❸「地域雇用への試金石」

 

さらに、今回の事業がもたらす効果がもう1つあります。重油ボイラーを撤去して、薪ボイラーを稼働させれば、重油を仕入れる為の費用がかからなくなります。その代りに地域内から原木を仕入れます。その原木代は重油代から見れば、かなり安くなります。しかし、この原木はそのまま使用できません。これを私達でチェーンソーや薪割り機を使って薪にし、乾燥させた上で、初めて薪ボイラーに投入となります。薪ボイラーへの投入も一日に何度も行う必要があります。これらの作業にはそれだけ手間がかかりますから、相当な人件費がかかることになります。つまり、重油から原木に代わり、燃料仕入れ代は安くなるけれど、その分、手間がかかり、人件費が増えることになります。重油なら何もしないで全自動です。でも、その分、地域の雇用にもなるし、原木仕入れに支払ったお金は地元の林業者に入るので、地域内でお金が回ります。私達としては得られる熱量が同じでもここに大きな意味があると思っております。まさしく里山の持続可能な資源を活かした地域活性化事業と言えるのではないでしょうか。今は小さな話ですが、こういった形態が増えて、林業を活性化出来れば、里山に新たな循環型社会の仕組みができ、これまで日本で活用できてこなかった森林資源、木質バイオマスをエネルギーとして、私達の生活に取り入れることが出来るのです。

 

- そんな未来が日本中に広がっていくために。

 

私達の取組は同じ様な形態の旅館やホテル、銭湯や健康ランドなどの浴場施設、病院や介護施設、熱を必要とする工場など、様々な施設において取り組むことが可能です。私達は薪ボイラーを選択しましたが、木質バイオマスを使うボイラーは薪ボイラーだけではなく、「チップボイラー」や「ペレットボイラー」という選択肢もあります。大規模な施設に対応できるし、とても効率的です。今後、こういった取組をする施設や企業が増えてくれば、里山のエネルギー資源である木質バイオマスを活用する社会構造が整い、地域内を経済が循環する仕組みがそれぞれの地域で作られることになります。そうなれば、森林率世界トップクラスであるこの日本で森林に囲まれて生活している私達にとって、効率的な理にかなった社会になることを意味しています。

 

今の日本は言わば、宝の持ち腐れ状態です。社会的に仕組みが出来ておらず、それを活かせてないという、もったいない状況にあるということが認知されてない状態と言えるのではないでしょうか。木質バイオマスを活用する動きが広まり、それに伴って、林業が活性化すれば、建築木材についてまでも海外依存する必要も少なくなっていくでしょう。過疎問題や都市部の人口過密などの問題に対しても幾分プラスになるでしょうし、地方創生にも何かしらの一助となるはずです。

 

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03ー
- 是非、一緒にこの夢に向かって頂けたら。

 

今回、私達は「ものづくり補助金」という経産省のプロジェクトに同様の想いを申請して、採択され、この事業を手がけることになりました。薪ボイラーに対して、補助金は半分出るのですが、それ以外にかかる費用が沢山あります。これらの費用については銀行に借金をして、まかない、この後、返済していくことになります。今回、この取組みを行う私達へのカンパのような気持ちで少しでもこのクラウドファンディングで支援を頂けるなら、それは私達に大きな力を与えてくれるものです。

 

今回、私達が投じる一石は多かれ少なかれ、これら課題の為になるかもしれない可能性を秘めています。もし、今回、私達の取組にご支援頂けるなら、それは実質、これらの社会的課題の解決の為に投じたとも言えるかもしれません。ちょっと言い過ぎかもしれませんが、私達としても、この事業をしっかりと成功させなければならないという責任は大きいです。是非、一緒にこの夢に向かって頂けたら、私達としても本当に心強いです!

 

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資金使途

今回、皆様に支援頂いた資金は以下の内容に使わせて頂きたいと思っております。

 

【重油】から【木質バイオマス】へのエネルギー移行を果たすために以下の費用がかかることになります。

 

  • 薪ボイラー 648万円
  • 貯湯タンク 110万円
  • 設置配管工事 22万円
  • 薪割り機 56万円
  • 重油ボイラー撤去 63万円
 

※薪ボイラーはものづくり補助金に採択されて半額補助を受けましたので、実際にかかった費用は324万円です。

 

既に薪ボイラーは購入しましたが、それ以外にも多くの費用がかかることになります。今回、薪ボイラーを導入して運用するに辺り、薪ボイラーが作る熱をストックしておく場所として貯湯タンクを追加導入します。薪ボイラーが作る熱でまず、この貯湯タンクの中の不凍液を温めます。これで薪ボイラーの温度の上がり下がりによるブレを吸収し、熱を保持できます。その貯湯タンクが熱源となり、水道水を温めて、シャワーや暖房用のお湯を作ります。薪ボイラーは自動制御の重油ボイラーとは違い、人間が薪を投入するタイミングによって、温度が上下します。これを上手く運用するために、この貯湯タンクを導入します。今回はこの貯湯タンクの半額を皆様にご支援頂けたらと思っております。

 

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